【第34回発表会】新スタイルのシューマン・コーナーでピアノ演奏も!
関東では桜が満開を迎えた3月31日、石川雅子ミュージックアカデミー第34回発表会が、タワーホール船堀 小ホールにて開催されました。
初出演者もいらっしゃる中、滞りなく無事に会を終えることができ本当に良かったです!
動員数も昨年比3割増しの126名で、年度末のお忙しい時期にもかかわらず、多くの方に見守られながら演奏が行われました。
さて、今回の発表会はどのような内容だったのかを、会の様子を撮った写真と一緒にご紹介していきたいと思います。
弦合奏の1曲目は、ヴァイオリンとチェロで構成された、ヘンデルの代表曲「『水上の音楽』より アッラ・ホーンパイプ」。
この曲は、ヘンデルがイギリス王ジョージ1世との和解を図るために、テムズ川での王の舟遊びの際に演奏された逸話があるそうですが、確かに会場が川を優雅に下っているような気がしてなりませんでした。
そして、2曲目はレオポルド・モーツァルト作曲「おもちゃのシンフォニー第2,3楽章」。
あの有名なモーツァルトのお父様が作曲者だったんですね!
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この曲では弦楽器の他に、カッコウとウズラの鳴き声を模した笛、水笛、トライアングルなどの擬音楽器が登場。
「水上の音楽」で川を下り終えた先は、そのまま涼しげな森の中に続いていたようでした。
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年間行事の「弦科お楽しみ会」や地域交流イヴェントで、ヴァイオリン科の生徒さんのステージを見ますが、発表会のステージはフォーマルな装いもあってか、みなさんそれぞれが独特のオーラをまとっていらっしゃるのを客席から感じ取れました。
今回の発表会で最年少となる3歳の生徒さんが、ニューヨークスタインウェイの鍵盤を鳴らしている姿が可愛らしく、お母様・お父様とも連弾されていて、とても素敵でした!
第1部は高校生以下の生徒さんがメインで、曲目はクラッシックの名曲や民謡、ポップスなど様々。
生徒さんの練習の成果や音楽性が、ステージ上で光っていました。
当教室のプログラムでは、今回、特別企画「シューマン・コーナー」を取り入れました。
雅子先生クラスの生徒4名が、ローベルト・シューマンの曲をそれぞれが披露するという新しい試みになります。
ピアノ後方に椅子が4席置かれていて、他の生徒さんが演奏中の時は座って聴くスタイルで、教室内でのコンサートイヴェントを客観的に見ているような気分でした(笑)
ともあれ、シューマン作品のピアノ演奏は、まず雅子先生からスタート。
昨年から「音楽のひろば」をはじめとする、各イヴェントで度々弾かれる「『クライスレリアーナ』Op.16より 第1曲と第7曲」を演奏。
そのあとは、生徒さんたちによる演奏が始まりました。
みなさん楽しそうに演奏されていて、シューマンの優しい性格が映し出されているように思えました。
それにしても、雅子先生お気に入り「クライスレリアーナ」。
この曲は一体どんな経緯で傑作と言われるようになったのか、簡単にお伝えしていきたいと思います。
クライスレリアーナの背景
ローベルト・シューマンは当時、恋人であるクララの父親に猛反対され、彼女と会うことすらできませんでした。
この先、妻となる女性と会うことすらできない状況に対し、抑えきれない愛と情熱はそのまま曲に込められていきました。
クライスレリアーナとは「クライスラーに関する」という意味で、E.T.A.ホフマンの小説の題名を引用し、主人公クライスラーの行き場のないロマンスを当初の自分自身に重ね合わせた。
そして、愛するクララに思いを馳せながら作曲したと言われています。
講師演奏では、まずはピアノ科・野田先生作曲「Little bird」で、ピアノ・チェロ(朴先生)・歌(福井先生)の構成からなります。
昨年は野田先生作曲「碧のレクイエム」を四重奏で演奏されましたので、また違う雰囲気で素敵でした。
また、他の講師演奏ですが、今回はシューマン一色!
どこまでも、今年度の集大成=発表会ということもあり、シューマンにこだわる雅子先生のこだわりと熱意が感じ取れます。
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発表会に12回ならびに21回出演された生徒さんと、20回出演された講師の先生が表彰され、教室から記念品が贈られました。
毎回の表彰式に立ち会うたび、教室の歴史がいかに長いものかを改めて感じるます。
今回の記念品は、ウィーン研修旅行に行かれた際に、現地でしか手に入らない貴重なものがセレクトされました。
雅子先生の第二の故郷を偲ぶ、そんな思いも込められているのかもしれないですね。
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発表会では初の試みとなる、リコーダーアンサンブル。
スコットランド民謡「アニーローリー」をはじめとする演奏が披露され、リコーダーの音色がまろやかに包み込んでくれました。
リコーダーの面白さは重奏にあり。
と、言えるくらい単音で聴くのとでは全く違う印象を受けます。
種類も合唱同様に各パート別にあり、指の動き(運指)や吹き方も様々。
リコーダーの特筆すべき良さは、何より持ち運びが楽(笑)
リコーダー科の田村先生もこの発表会を皮切りに、各教室イヴェントにアンサンブルの会を設けていかれるのではないかと密かに期待しています。
今回も声楽科のみなさんの歌声には「驚愕」の2文字が舞い降りてきました。
さすが、本場仕込みの発声法。
呼吸法などの体感的なポイントに対しても、細かく指導を受けられているというのが分かります。
声楽は文字通り、声が楽器となるため完全オリジナル性という特質は強いのかと思います。
ただ一方、無意識に出ている声の癖が思わぬ壁となったり、体のコンディションによっても顕著に音に出てくることからも、レッスン自体易しい内容ではないのは事実です
とはいえ、向上心さえあればどんな難曲であっても、教室でのレッスンを通すことで、ステージで披露できるようになります。
声楽の奥深さは体感した方であれば、きっと分かるはずです。
発表会のラストを飾るのは、雅子先生のピアノ科の生徒さんたち。
アローマ(セラミック製のキャスター台)を敷いて、タカギクラヴィア様所有のニューヨーク・スタインウェイのピアノを使用。
教室イヴェント「銘器を弾く&聴く会」が、年に数回ほどタカギクラヴィア様の渋谷松濤サロンで行われ、そちらに参加される生徒さんにはお馴染みのピアノとなります。
教室には本場の「ベーゼンドルファー」、「グロトリアン」、「ブリュートナー」がレッスンのピアノとして常設されていますが、個人的にニューヨークスタインウェイはそのものよりも鍵盤のタッチが軽い印象を受けました。
ともあれ、普段とは異なるピアノの感触を自らに取り入れながら演奏する体験は、まさに石川雅子ミュージックアカデミーならでは。
今回もピアノ科の生徒さんから届いた曲に、大きな感銘を受けたことは言うまでもないでしょう。
先にご紹介しました通り、今回の出演者込みの動員数は126名で、アンケートでは「とても上手でした!」、「みんな一人一人が個性的で良かった」など多くの声をいただきました。
なかには、タワーホールの掲示板を見て興味を持ち足を運んだ、という有難いフットワークをお持ちの方もいらっしゃいました。
お越しくださった多くの方には深く感謝申し上げます。
来月からいよいよ35周年という節目を迎え、関係者・生徒の方々にはまた一年間お世話になりますが、何卒よろしくお願い申し上げます。